先日お知らせしましたとおり、2018年3月7日に、MTGOXの債権者集会が開催されました(当日の配付資料は、下記の破産管財人のホームページで公開されています。)。
https://www.mtgox.com/img/pdf/20180307_report.pdf
1 破産管財人からの報告について
詳細は上記のホームページのとおりですが、特に注目すべき点は、2017年12月から2018年2月にかけて、約35,000BTC及び約35,000BCCの売却をおこない、400億円以上の金銭を確保したとのことです。
2 質疑応答について
複数の債権者より、是非、民事再生手続に移行して欲しいとの発言がありました。
質疑応答の概要は、以下のとおりです。
Q1 調査報告書に記載されている「全債権者(とくに金銭債権者)」とは誰を指しているのか、「破産手続においてすでに得られていると見込まれる利益」とは何か、「利益を確保する措置」とは何か。
A1 調査報告書は調査委員が作成しているものであり、内容については、回答できない。今後については、裁判所と協議して、検討する。
Q2 調査報告書に記載されている「利益を確保する措置」の具体的なプランは考えているか。破産管財人として民事再生手続の開始に向けて努力する意思はあるか。債権者として考えているプランを提案したい。
A2 「利益を確保する措置」については、裁判所と協議して検討する。調査委員の問題意識は理解した。債権者の提案は聞く準備はある。
Q3 「利益を確保する措置」の内容が決まったら、事前に債権者に説明する機会はあるか。大口債権者として意見はいえるか。
A3 方針が決まれば債権者に通知する。債権者の意見は聞くので、書面で送って欲しい。
Q4 BTC・BCCの売却時期はいつで、売却手法は何か。BTCとBCCの売却個数の差は何か。BTC消失経緯について米国司法省からの情報はあるか。
A4 2017年12月から2018年2月にかけて、仮想通貨交換業者を通じて、時価で売却した。売却個数の差は、売却をやめたタイミングの問題であり、何らかの意図があるわけではない。米国司法省からの情報は特段得られていない。
Q5 コインラボの査定の状況はどうか。役員責任の追及は誰を想定しているのか。
A5 コインラボについて、具体的な和解を検討しているわけではないが、今後の進行により、和解を検討する可能性はある。
役員責任の追及はカルプレスを想定していたが、既に破産しているため、責任追及の必要性はあまりないものと考えている。
Q6 十分なキャッシュがあるにもかかわらず、なぜ債権者に配当しないのか。
A6 キャッシュは、BTC等の売却により最近確保できた。配当については、BTC債権者の債権額評価の問題もあり、配当手続を進めることが、BTC債権者にとって望ましいかどうか難しい問題がある。
Q7 株主に残余財産が分配されることは正義に反するが、なぜ、破産管財人として民事再生手続を進めることをしないのか。
A7 従来の説明で誤解を与えたのであれば申し訳ない。民事再生手続に移行することに反対しているわけではない。調査委員の問題意識は理解するが、民事再生手続を開始するかどうかは、裁判所の判断である。
Q8 破産手続を進めるのが遅いのではないか。破産管財人の怠慢ではないか。
A8 BTC等の売却により、最近になり、400億円以上の金銭を確保した。配当については、BTC債権者の債権額評価の問題もあり、配当手続を進めることが、BTC債権者にとって望ましいかどうか難しい問題がある。
Q9 BTC等の売却は初めて聞いた。なぜ、BTCの市場価格が暴落しているタイミングで売却したのか。急いで売却しないといけない理由は何か。BTC等の売却は、調査委員の指摘している、「利益を確保する措置」の一環か。
A9 破産手続の当初より、どこかのタイミングでBTC等の売却を行うと伝えていた。売却時期については、裁判所と協議の上、決定した。債権者の中には、早期にBTC等の売却を行うべきであるとの意見もある。多額の金銭を確保できたことで、債権者の「利益を確保する措置」をとれる可能性が高まったと理解している。
以 上